詩「ちょうちょ」
「ちょうちょ」
張り詰めた空気が、布団の中に入らないように、ずっと閉じこもっていた。そして、もう真っ暗ではなくなって、少し白ばんだ視界に、体が震えていた。布団を強く握りしめる。でも、喉が渇いた。
顔を恐る恐る覗かせると、誰もいないワンルームは、窓から灰色の光が差し込んでいた。張り詰めた嫌な空気が肌を刺して、心臓を刺して、
冷たい水を喉に流し込む。まだ、朝は早いけど、どうせ一瞬で過ぎてしまう。心臓が早くなる。私の青白い肌が、目の下の隈が、涙の跡が、
冷たい風が吹いて、真っ白な蝶々が私の部屋に迷い込んできた。そして、私の周りをクルクルとフワフワと、美しく回ると、白い鱗粉をポロポロと、溢して、またくるくるふわふわぽろぽろと、。しろいちょうちょはじかんをわすれて、くるくるふわふわぽろぽろと、。はねを、ゆったりゆったり、。
なんとなく、わたしはかわいそうになってにがしてあげようとおもった。ちょうどわたしのしろいはだにとまったちょうちょを、おこさないようにゆっくりとまどのほうへ、。まどをあけてやさしくいきをふくようにはなった。
きょうはずっとねていよう。じゅんすいむくなしろいりんぷんをまとって、ねむろうかな、。
私は何がしたいのだろうか。